上場株式等の配当所得の改正
上場株式等の配当の課税方法は源泉徴収方式(所得税15%・住民税5%)への一本化に伴い、確定申告は不要とされます。なお、従来どおり確定申告を行なって配当控除の適用を受けることもできます。
- 平成15年4月1日から平成20年3月31日までの間に支払いを受ける上場株式等の配当等に係る源泉徴収税率については、個人の大口株主(持分5%以上)を除き、10%(平成15年12月31日までは所得税のみ10%、平成16年1月1日から平成20年3月31日までは所得税7%・住民税3%)の優遇税率が適用されます。
(注)個人の大口株主の上場株式等の配当及び未上場株式の配当に係る源泉徴収税率については、従来どおり所得税20%の税率が適用され確定申告が必要です。
- 35%の源泉分離選択課税は平成15年3月31日をもって廃止されました。
- 上場株式等の少額配当(年10万円以下)の申告不要の上限額が、平成15年4月1日以後に支払を受ける上場株式等の配当等について撤廃されました。
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上場株式等の譲渡所得の改正
上場株式等の譲渡の課税方法は申告分離課税への一本化に伴い、適用税率が、従来の26%(所得税20%・住民税6%)から20%(所得税15%・住民税5%)へ引下げられます。
- 上場株式等の譲渡所得の特例
- 特定口座内の上場株式等の譲渡に係る所得計算及び申告不要の特例
- 平成15年1月1日から、特定口座(1証券会社1口座)内の上場株式等の譲渡による所得金額の計算については、その特定口座外の上場株式等とは区分して行うこととし、簡便な申告とされます。
- 特定口座内の上場株式等の譲渡による所得については、選択により源泉徴収の上、申告不要とすることができます。
(注)源泉徴収税率
- 平成15年3月31日までは15%、4月1日から12月31日までは7%の所得税が源泉徴収され、過払い分の所得税(3月31日までの分)は翌年に口座へ還付されます。平成15年に限り住民税3%は別途徴収されます。
- 平成16年1月1日から平成19年12月31日までは、10%(所得税7%・住民税3%)が源泉徴収されます。
- 平成20年1月1日以降は、20%(所得税15%・住民税5%)が源泉徴収されます。
- 上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除制度
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平成15年1月1日以後に上場株式等を譲渡した場合において、その譲渡によって生じた損失額が、その年分の株式等の譲渡所得等の計算上、他の株式等の譲渡益と損益通算してもなお控除しきれないときは、その控除しきれない損失額を翌年以降3年間にわたり、株式等の譲渡所得から控除できることとされます。
- この特例は、譲渡損失の計算明細書等を添付した確定申告書を提出し、かつ翌年以降も連続して確定申告書を提出している場合に適用されます。
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確定申告をしなければならない人
1年間に得た所得金額の合計額から所得控除額を差し引き、その金額をもとに計算した税額があるときは確定申告をしなければなりません。
ただし、サラリーマンは毎月の給与や賞与から所得税が源泉徴収され、12月に年末調整で過不足額の精算が行われるため、次に該当しない限り確定申告の必要はありません。
- 給与収入が年間2,000万円を超える人
- 給与所得や退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える人
- 給与を2か所以上からもらっていて、年末調整をされなかった給与の収入金額と給与所得や退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える人
- 同族会社の役員やその親族などで、その会社から給与のほかに貸付金の利子や不動産の賃貸料などの支払いを受けている人
- 給与について災害減免法の適用を受けている人
- 家事使用人などで給与の支払いを受ける際に所得税を源泉徴収されていない人
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確定申告をすれば税金が戻る人
確定申告をする必要がない人でも、次のような人は、確定申告をすれば源泉徴収や予定納税で納めすぎた税金が戻ってきます。
- 源泉徴収された配当や原稿料などの収入が少額で、その他の所得も少ない人
- 年末調整を受けたサラリーマンで次に該当する人
- マイホームをローンで取得した人
- 多額の医療費がかかった人
- 年末調整のときに申告もれがあって控除を受けなかった人
- 災害や盗難にあって被害を受けた人
- 特定の寄付をした人
- 特定支出額が給与所得控除額を超える人
- サラリーマンで、年の中途に退職し年末調整を受けなかった人
- 予定納税をしたが確定申告の必要がなくなった人
- 退職所得者で、源泉徴収された所得税について定率減税の適用を受ける人
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確定申告の申告期限
確定申告は、所得があった年の翌年2月16日から3月15日までの間に行います。確定申告をしなければならない人が、申告期限内に確定申告書を所轄税務署に提出しなかったり確定した税金を納付しなかったときは、加算税や延滞税などが徴収されることになります。 なお、還付を受けるための申告書は2月16日前でも提出できます。また申告期限後であっても5年間は提出できます。
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確定申告書の種類
確定申告書Aと確定申告書Bのいずれかを使用し、分離課税の所得がある場合や損失が生じている場合には、確定申告書Bに併せて分離課税用又は損失申告用の確定申告書を使用します。
- 確定申告書A(第一表、第ニ表)
次の要件のすべてに該当する人が使用します。
- 給与所得、雑所得、配当所得、一時所得以外に申告する所得がないこと
- 予定納税がないこと
- 変動所得・臨時所得の平均課税の適用を受けないこと
- 繰越損失額がないこと
- 確定申告書B(第一表、第ニ表)
確定申告書Aを使用する人以外の人が使用します。
- 確定申告書(分離課税用 第三表)
次の人が使用します。
- 土地建物等の譲渡所得がある人
- 申告分離課税の株式等の譲渡所得等がある人
- 申告分離課税の商品先物取引に係る雑所得等がある人
- 山林所得がある人
- 退職所得について申告する人
- 確定申告書(損失申告用 第四表(一)、第四表(ニ))
次の人が使用します。
- 平成15年分の所得金額が赤字の人(原則として青色申告者のみ)
- 雑損控除額を平成15年分の所得金額から控除すると赤字になる人
- 繰越損失額を平成15年分の所得金額から控除すると赤字になる人
- 居住用財産の買換えの場合の譲渡損失額を平成15年分の所得金額から控除すると赤字になる人
- 修正申告書(別表 第五表)
確定申告書を提出し、その申告期限後に納税額の過小、還付税額や損失の金額の過大が判明した場合などに使用します。
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所得税の計算順序
確定申告をする場合、税額は次の4段階で計算します。
- 各種所得の所得金額の計算
所得を10種類に分けて、各種所得の所得金額をそれぞれ計算します。
- 課税標準の計算
各種所得の所得金額を合計します。なお各種所得に赤字の所得があるときは、その赤字の所得は黒字の所得から差し引きます。また前年以前に発生した繰越損失があるときは、その繰越損失額もここで差し引きます。
- 課税所得金額の計算
課税標準から基礎控除などの15種類の所得控除額を差し引いて課税所得金額を計算します。
- 納付額または還付額の計算
課税所得金額に税率を掛けて税額を算出し、算出税額から税額控除額や定率減税額を差し引いて申告納税額を計算します。さらに既に納めている源泉徴収税額や予定納税額を差し引いて、確定申告で納付すべき税額または還付を受けるべき税額を計算します。
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所得の種類と計算方法
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所得税の税額表
課税される所得金額 |
税 率 |
控 除 額 |
1,000円から |
3,299,000円まで |
10% |
0円 |
3,300,000円から |
8,999,000円まで |
20% |
330,000円 |
9,000,000円から |
17,999,000円まで |
30% |
1,230,000円 |
18,000,000円以上 |
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37% |
2,490,000円 | 平成15年分の所得税について、所得税額の20%(上限25万円)が定率減税されます。
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