平成28年度税制に関する改正点 
 

M E N U

平成28年度税制改正法である「所得税法等の一部を改正する法律」が 3月29日に成立し、次の改正が行われました。

<法人税に関する改正点>
  • 法人税率の引下げ
  • 欠損金の繰越控除制度の更なる見直し
  • 企業版ふるさと納税制度の創設
  • 交際費等の損金不算入制度の延長
  • 建物附属設備及び構築物等の償却方法の見直し(法人税・所得税)
  • 少額減価償却資産の損金算入の特例の延長(法人税・所得税)
  • 生産性向上設備投資促進税制の廃止(法人税・所得税)
  • 雇用促進税制の見直し及び延長(法人税・所得税)
  •   
    <法人地方税に関する改正点>
  • 法人事業税の外形標準課税の見直し
  •   
    <所得税に関する改正点>
  • 空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例の創設
  • 三世帯同居に対応した住宅改修工事等に係る特例の創設
  • 通勤手当の非課税限度額の引き上げ
  • 医療費控除の特例の創設
  •   
    <消費税に関する改正点>
  • 消費税率引上げ時期の延期等
  • 最終更新日:2016.7.6

    T O P 平成28年度税制改正点 平成27年度税制改正点

    法人税率の引下げ


    普通法人等に対する法人税の税率(現行23.9%)が次のとおり、段階的に引き下げられました。

    1. 平成28年4月1日以後に開始する事業年度・・23.4%

    2. 平成30年4月1日以後に開始する事業年度・・23.2%

    法人税率の引き下げにより、法人税の実行税率(現行34.33%)は、平成28年度以降で33.80%、 平成30年度以降で33.59%になります。


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    欠損金の繰越控除制度の更なる見直し


    欠損金の繰越控除制度について企業経営への影響を考慮して更なる見直しが行われました。

    1. 平成27年度税制改正において、中小法人等以外の法人の欠損金の繰越控除限度額について、 段階的な引下げ措置が講じられましたが、影響を平準化するために次のとおり見直されました。

      事業年度開始日  現     行   改  正  後 
      平成27年4月〜平成28年3月 所得の65% 所得の65%
      平成28年4月〜平成29年3月 所得の65% 所得の60%
      平成29年4月〜平成30年3月 所得の50% 所得の55%
      平成30年4月〜 所得の50% 所得の50%

    2. 平成27年度税制改正において欠損金の繰越控除制度における繰越期間が平成29年4月1日以後に開始する事業年度から 10年(現行9年)に延長されました。
      この適用開始時期が1年先送りされ、平成30年4月1日以後に開始する事業年度において生ずる欠損金額について適用することとされました。

    3. 中小企業者等以外の法人の欠損金の繰戻しによる還付制度の不適用措置の適用期限が、 2年延長され、平成30年3月31日までに終了する事業年度までとされました。


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    企業版ふるさと納税制度の創設


    地域再生法の改正を前提に、青色申告書を提出する法人が、地域再生法の改正法の施行日から 平成32年3月31日までの間に、「地方創生推進寄附活用事業」(仮称)に関連する寄附金を支出し た場合には、現行の損金算入措置(約3割の負担軽減)に加えて、その支出した寄附金の額のうち 次の金額を税額控除するという制度が創設されました。

    1. 法人事業税
       寄附金額×10%の税額控除(税額の20%(平成29年度以降は15%)を上限)

    2. 法人住民税
       寄附金額×20%の税額控除(税額の20%を上限)

    3. 法人税
       2.で控除しきれなかった金額と寄附金額×10%とのうちいずれか少ない金額の税額控除(税額の5%を上限)


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    交際費等の損金不算入制度の延長


    交際費等の損金不算入制度について、その適用期限を2年延長するとともに、接待 交際費に係る損金算入の特例及び中小法人に係る損金算入の特例の適用期限につ いても2年延長されました。


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    建物附属設備及び構築物等の償却方法の見直し(法人税・所得税)


    平成28年4月1日以後に取得をする建物附属設備及び構築物の償却方法について、 定率法を廃止し、定額法を適用することになりました。


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    少額減価償却資産の損金算入の特例の延長(法人税・所得税)


    中小企業者の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例について、対象と なる法人から常時使用する従業員数が1,000人を超える法人を除外した上、その適用 期限が平成30年3月31日まで2年延長されました。


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    生産性向上設備投資促進税制の廃止(法人税・所得税)


    生産性向上設備投資促進税制(生産性向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度)は、 予定どおり適用期限(平成29年3月31日までに取得等かつ国内の事業に供用)をもって廃止されます。


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    雇用促進税制の見直し及び延長(法人税・所得税)


    雇用促進税制(雇用者の数が増加した場合の税額控除制度)について、適用期限が平成30年3月31日までの 期間内に始まる各事業年度(所得税については平成30年分)まで延長され、また、平成28年4月1日以後に 開始する事業年度から所得拡大促進税制(雇用者給与等支給額が増加した場合の税額控除制度)との 併用が可能になりました。

    ただし、雇用促進税制の対象になる増加雇用者の範囲が、地域雇用開発促進法の同意雇用開発促進 地域内にある事業所における無期雇用かつフルタイムの雇用者の増加数(新規雇用に限るものとし、 その事業所の増加雇用者数及び法人全体の増加雇用者数を上限とします。)に限定されます。

    また、所得拡大促進税制の対象は、雇用者給与等支給増加額から増加雇用者に対する給与支給額として 一定の方法により計算した金額を控除した金額となります。


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    法人事業税の外形標準課税の見直し


    1. 外形標準課税法人に係る法人事業税の税率の改正

      法人事業税の付加価値割と資本割の税率引上げ及び所得割の税率引下げが行われ、 平成28年4月1日以後に開始する事業年度から適用されます。

    2. 地方法人特別税の税率の改正

      資本金1億円超の普通法人の地方法人特別税の税率が引き下げられ、平成28年4月1日以後に開始する 事業年度から適用されます。


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    空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例の創設


    空き家の発生を抑制し、地域住民の生活環境への悪影響を未然に防ぐ観点から、被相続人の居住の用に 供していた家屋を相続した相続人が、平成28年4月1日から平成31年12月31日までの間に、その家屋(その 敷地を含みます。また、その家屋に耐震性がない場合は耐震リフォームをしたものに限ります。)又は 除却後の土地の譲渡(相続時から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡に限ります。)を した場合には、その家屋又は除却後の土地の譲渡益から3,000万円を控除できるという制度が創設されました。

    <主な適用要件>

    1. 相続した家屋は、昭和56年5月31日以前に建築された家屋(区分所有家屋を除きます。)であって 相続発生時に被相続人以外に居住者がいなかったこと。

    2. 譲渡をした家屋又は土地は、相続時から譲渡時点まで居住、貸付け、事業の用に供されていたことがないこと。

    3. 譲渡価額が1億円を超えないこと。


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    三世帯同居に対応した住宅改修工事等に係る特例の創設


    個人が、その者の所有する居住用家屋について一定の三世帯同居対応改修工事を行い、 平成28年4月1日から平成31年6月30日までの間に居住の用に供したときは、 次のいずれかの特例を適用することができるという制度が創設されました。

    <対象工事>

     1 キッチン 2 浴室 3 トイレ 4 玄関

    <対象工事要件>

    1. 上記1から4までのいずれかを増設すること。

    2. 改修後、上記1から4までのうち、いずれか2つ以上が複数となること。

    3. 対象工事の費用が50万円超であること。

    1 三世帯同居改修工事等に係る住宅ローン控除

    その三世帯同居改修工事等に充てるために借り入れた次に掲げる住宅借入 金等(償還期間5年以上)の年末残高(1,000万円を限度)の区分に応じ、それぞれ次に定める割合 を乗じた金額に相当する金額の合計額を所得税の額から控除します。

    この特例は、住宅の増改築等に係る住宅借入金等を有する場合の所得税額 の特別控除との選択適用とし、控除期間は5年とします。

    • 三世帯同居改修工事等に係る工事費用からその工事に係る補助金等を控 除した金額(250万円を限度)に相当する住宅借入金等の年末残高・・2%

    • 上記以外の住宅借入金等の年末残高・・1%

    2 三世帯同居改修工事等に係る所得税額の特別控除

    その三世帯同居改修工事等に係る標準的な工事費用相当額(250万円を限 度)の10%に相当する金額をその年分の所得税の額から控除します。


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    通勤手当の非課税限度額の引き上げ


    通勤手当の非課税限度額を月額10万円から月額15万円に引き上げられました。

    この引き上げは平成28年1月1日以後に支払いを受けるべき通勤手当について適用されます。


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    医療費控除の特例の創設


    適切な健康管理の下で医療用医薬品からの代替を進める観点から、@特定健康診査(いわゆるメタボ健診)、 A予防接種、B定期健康診断、C健康診査、Dがん検診のいずれかを受けている者が、平成29年1月1日から 平成33年12月31日までの間に自己又は生計を一にする配偶者等に係る一定のスイッチOTC医薬品の購入した 場合において、その年中に支払ったその対価の額(保険金等により補填される部分の金額を除きます。) の合計額が1.2万円を超えるときは、その購入費用(年間10万円を限度)のうち1.2万円を超える額を所得控除 できる制度(セルフメディケーション(自主服薬)推進のためのスイッチOTC薬控除)が創設されました。

    「一定のスイッチOTC医薬品」とは、要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品 (類似の医療用医薬品が医療保険給付の対象外のものを除きます。)をいいます。

    この規定の適用を受ける場合には、スイッチOTC医薬品の購入の対価の額は、既存の医療費控除の 適用を受けることができません。


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    消費税率引上げ時期の再延期等


    平成28年6月1日、安倍内閣総理大臣は、消費税率10%(現行8%)への引上げ及び軽減税率制度の導入時期を 平成31年10月とする旨を正式に発表しました。


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