平成26年度税制に関する改正点 
 

M E N U

平成26年度税制改正法である「所得税法等の一部を改正する法律」が 3月20日に成立し、次の改正が行われました。

<法人税に関する改正点>
  • 復興特別法人税の1年前倒し廃止
  • 交際費課税の特例措置の拡充・延長
  • 少額減価償却資産の損金算入の特例の延長(法人税・所得税)
  • 所得拡大促進税制の拡充・延長(法人税・所得税)
  • 生産性向上設備投資促進税制の創設(法人税・所得税)
  • 中小企業等の経営改善設備投資促進税制の拡充・延長(法人税・所得税)
  • 研究開発税制の拡充・延長(法人税・所得税)
  • 既存建築物の耐震改修投資促進税制の創設(法人税・所得税)
  • ベンチャー投資促進税制の創設
  • 事業再編促進税制の創設
  • 地方法人課税の偏在是正
  •   
    <所得税に関する改正点>
  • 給与所得控除の見直し
  • NISAの利便性向上のための見直し
  • 特定公社債の範囲の見直し
  • ストックオプション課税の適正化
  • ゴルフ会員権の譲渡損失と損益通算の範囲の見直し
  • 住宅ローン控除における既存住宅の範囲の見直し
  • 相続財産に係る譲渡所得の課税の特例の見直し
  •   
    <消費税に関する改正点>
  • 簡易課税制度のみなし仕入率の見直し
  • 外国人旅行者向け消費税免税制度の見直し
  • 最終更新日:2014.8.4

    T O P 平成26年度税制改正点 平成25年度税制改正点

    復興特別法人税の1年前倒し廃止


    企業収益を賃金の上昇につなげていくきっかけとするため、復興特別法人税(法人税額の10%相当)が 1年前倒しで廃止され、 平成26年3月31日までの間に開始する事業年度(改正前:平成27年3月31日までの間に開始する事業年度) で終了します。

    復興特別法人税廃止後の復興特別所得税額は、利子及び配当等に課される所得税額と合わせて、 各事業年度の法人税額から控除されます。
    なお、復興特別所得税額で法人税額から控除しきれなかった金額は還付されます。


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    交際費課税の特例措置の拡充・延長


    交際費等の損金不算入制度について、次のとおり拡充・延長されます。
    1. 交際費等の額のうち、飲食のために支出する費用(社内接待費を除く。)の額の50%が損金の額に算入されます。

    2. 中小法人に係る損金算入の特例(定額控除限度額800万円)について、適用期限が2年延長されるとともに、 上記1と選択適用できます。

    この改正は、平成26年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する各事業年度に適用されます。


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    少額減価償却資産の損金算入の特例の延長


    中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例(青色申告書を提出する中小企業者等が30万円 未満の少額減価償却資産を取得した場合、当期に取得等をした少額減価償却資産の取得価額の合計額300万円を 限度として、取得した事業年度又は年分に全額損金算入等(即時償却)を認める制度)の適用期限が2年延長 (平成28年3月31日までに取得する減価償却資産について適用)されます。


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    所得拡大促進税制の拡充・延長


    雇用者給与等支給額が増加した場合の税額控除制度について、次の見直しが行われ、その適用期限が 平成30年3月31日まで2年間延長されます。

    1. 雇用者給与等支給増加割合の要件(改正前:5%以上)

      • 平成27年4月1日前に開始する事業年度・・2%以上
         
      • 平成27年4月1日から平成28年3月31日までに開始する事業年度・・3%以上
         
      • 平成28年4月1日から平成30年3月31日までに開始する事業年度・・5%以上

    2. 平均給与等支給額の要件

      平均給与等支給額及び比較平均給与等支給額の計算の基礎となる国内雇用者に対する給与等を、継続雇用者に 対する給与等に見直した上で、平均給与等支給額が比較平均給与等支給額を上回ること(改正前:以上であること) とします。

      ※継続雇用者に対する給与等とは、適用年度及びその前年度において給与等の支給を受けた国内雇用者に対する 給与等のうち、雇用保険法の一般被保険者に対する給与等をいいます。

    この改正は、平成26年4月1日以後に終了する適用年度について適用されます。
    なお、同日前に終了する事業年度(平成25年4月1日以後に開始し旧制度の適用なし、新制度の要件満たす)分の 税額控除相当額は、平成26年4月1日以後最初に終了する事業年度で上乗せ控除されます。


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    生産性向上設備投資促進税制の創設


    青色申告書を提出する事業者が、生産性向上設備等に該当するもののうち一定の金額以上のものを 産業競争力強化法の施行日(平成26年1月20日)から平成29年3月31日までの間に取得等し、 事業の用に供した場合には、以下の特別償却(即時償却)または税額控除(当期の 法人税額の20%を限度)のうちいずれかを選択適用できる制度が創設されます。

    設備等の種類 〜平成28年3月31日 〜平成29年3月31日
    機械装置など 即時償却
    又は5%税額控除
    50%特別償却
    又は4%税額控除
    建物、構築物 即時償却
    又は3%税額控除
    25%特別償却
    又は2%税額控除

    生産性向上設備等とは、生産等設備を構成する機械装置、工具、器具備品、建物、建物附属設備、構築物 及びソフトウェアで、先端設備及び生産ラインやオペレーションの改善に資する設備として産業競争力強化法 に規定するものをいいます。

    1. 生産等設備とは、事業の用に直接供される減価償却資産で構成されているものをいいます。
      ただし、本店、寄宿舎等の建物、事務用器具備品、福利厚生施設等は該当しません。

    2. 先端設備とは、最新モデルかつ生産性向上要件(旧モデル比で年平均生産性1%以上向上)を満たす機械装置等 (中小企業者等については一定のソフトウェア及びサーバーを含む)をいいます。

      ※上記の要件を満たす設備については、工業会等が証明書を発行します。

    3. 生産ラインやオペレーションの改善に資する設備とは、生産性の向上に係る要件(投資計画における 投資利益率が15%以上。中小企業者等にあっては、5%以上)を満たすことにつき経済産業局の確認を受けた 投資計画に記載された機械装置等をいいます。

    この改正は、産業競争力強化法の施行の日(平成26年1月20日)から平成29年3月31日までの間に取得等した 国内の事業の用に供する生産性向上設備等について適用されます。
    なお、平成26年3月31日までに取得した場合には、同年4月1日を含む事業年度において適用できます。


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    中小企業等の経営改善設備投資促進税制の拡充・延長


    中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却または税額控除制度について、次の見直しが行われ、 その適用期限が3年延長されます。

    中小企業者等が取得等をした特定機械装置等のうち生産性向上設備投資促進税制の生産性向上設備等に 該当するものについては、即時償却(現行:30%の特別償却)ができます。
    なお、中小企業者等(現行:特定中小企業者等)にあっては、即時償却と7%(特定中小企業者等は10%)の 税額控除(控除限度超過額は1年間の繰越し可)との選択適用ができます。

    ※中小企業者等とは、資本金(出資金)の額が1億円以下の法人等又は農業協同組合等で、青色申告書を 提出するものをいいます。このうち、資本金(出資金)の額が3,000万円以下のものは、特定中小企業者等に 該当します。

    資本金 現 行 改 正
    3,000万円超
    1億円以下
    30%特別償却
    (税額控除なし)
    即時償却
    又は7%税額控除
    3,000万円以下 30%特別償却
    又は7%税額控除
    即時償却
    又は10%税額控除

    この改正は、産業競争力強化法の施行の日(平成26年1月20日)から平成29年3月31日までの間に取得等した 国内の事業の用に供する生産性向上設備等(特定機械装置等)について適用されます。
    なお、平成26年3月31日までに取得した場合には、同年4月1日を含む事業年度において適用できます。


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    研究開発税制の拡充・延長


    試験研究を行った場合の法人税額の特別控除について、「増加型」および「高水準型」に係る税額控除制度の適用 期限が3年延長されます(「総額型」については変更ありません)。
    さらに、「増加型」については、増加試験研究費の額に30%(増加割合(注)が30%未満の場合には、その増加割 合)を乗じて計算した金額の税額控除に改組されます。

    (注) 増加割合=増加試験研究費の額/比較試験研究費の額

    この改正は、平成26年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する各事業年度に適用されます。


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    既存建築物の耐震改修投資促進税制の創設


    老朽化した建築物を更新すること等による防災力の向上等を図るため、青色申告書を提出する事業者が、 平成27年3月31日までに耐震改修促進法の耐震診断結果の報告を行い、平成26年4月1日からその報告を行った日 以後5年を経過する日までに耐震改修対象建築物の耐震改修を行った場合に、耐震改修により取得等をする 建築物の部分について25%特別償却ができる制度が創設されます。

    1. 耐震改修対象建築物

      耐震改修対象建築物とは、建築物の耐震改修の促進に関する法律の既存耐震不適格建築物のうち耐震診断結果の報 告が同法の規定により義務付けられるもの(要安全確認計画記載建築物又は要緊急安全確認大規模建築物)をいいます。                       

      要安全確認計画記載建築物・・地方公共団体が耐震改修計画で指定する避難地に接する建築物や都道府県が 指定する防災拠点となる建物

      要緊急安全確認大規模建築物・・病院、店舗、旅館等の不特定多数が利用する建築物や、学校、老人ホーム等の 避難弱者が利用する一定以上の大規模建築物等

    2. 耐震改修

      耐震改修とは、地震に対する安全性の向上を目的とした増築、改築、修繕又は模様替であって、その耐震改修対象 建築物に係る耐震基準に適合するものとして、地方公共団体の長・指定確認検査機関・建築士による証明がされたも のをいいます。                   

    この改正は、平成26年4月1日からその報告を行った日以後5年を経過する日までの間に取得等した耐震改修対象建築物 について適用されます。


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    ベンチャー投資促進税制の創設


    産業競争力強化法の施行日(平成26年1月20日)から平成29年3月31日までの間に同法に基づき 計画の認定を受けたベンチャーファンドを通じて、事業拡張期にあるベンチャー企業等へ 出資した場合には、その出資に係る損失に備える準備金について損金算入を可能とする 制度が創設されます。(ベンチャー企業等の株式の期末帳簿価額の80%損金算入)

    この改正は、平成26年4月1日以後に終了する事業年度について適用されます。


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    事業再編促進税制の創設


    産業競争力強化法の施行日(平成26年1月20日)から平成29年3月31日までの間に同法に基づく 計画の認定を受けて、複数企業間で経営資源の融合による事業再編を行う場合には、 その事業再編による特定会社に対する出資金・貸付金の損失に備える準備金について 損金算入を可能とする制度が創設されます。(出資金・貸付金の70%損金算入)

    この改正は、平成26年4月1日以後に終了する事業年度について適用されます。


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    地方法人課税の偏在是正


    地域間の税源の偏在性を是正し、財政力格差の縮小を図るため、法人住民税法人税割の 一部が国税化(地方法人税(仮称)の創設)されます。

    また、地方法人特別税の税率が引き下げられ、法人事業税(所得割及び収入割に限る)の税率が引き上げられます。

    この改正は、平成26年10月1日以後開始する事業年度から適用されます。


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    給与所得控除の見直し


    給与所得控除の上限について、次のとおり見直されます。

    現 行 平成28年分
    の所得税
    平成29年分
    以後の所得税
    上限額が適用さ
    れる給与収入
    1,500万円 1,200万円 1,000万円
    給与所得控除の
    上限額
    245万円 230万円 220万円

    この改正は、平成28年分以後の所得税について適用されます。
    なお、個人住民税については、それぞれその翌年度から適用されます。


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    NISAの利便性向上のための見直し


    NISAについて、 平成26年1月より導入されたNISA(非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得の非課税措置) について、同制度の普及・定着を図る観点から次の利便性を高める措置が取られます。

    1. 1年単位でNISA口座を開設する金融機関の変更が可能。(改正前:変更不可)

    2. NISA口座を廃止した場合にNISA口座の再開設が可能。(改正前:再開設不可)
    この改正は、平成27年1月1日以後に変更届出書又は廃止届出書が提出される場合について適用されます。


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    特定公社債の範囲の見直し


    上場株式等に係る譲渡所得等の課税の特例の対象となる特定公社債である平成27年12月31日以前に発行された 公社債から、同族会社が発行した社債が除外されます。

    これにより、同族会社が平成27年12月31日以前に発行した社債の利子で、その同族会社の株主等が平成28年1月1日 以後に支払を受けるものは、利子所得の20%源泉分離課税(所得税15%、住民税5%)の対象から除外され、 総合課税の対象となります。

    この改正は、平成28年1月1日以後に行う上場株式等の譲渡について適用されます。


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    ストックオプション課税の適正化


    税制非適格ストックオプションに該当する新株予約権等を権利行使前に、その発行法人へ譲渡した場合、 給与所得(又は事業所得、退職所得、一時所得、雑所得)とみなして課税(現行:譲渡所得として課税)され ることとされます。

    この改正は、平成26年4月1日以後に行う新株予約権等の譲渡について適用されます。


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    ゴルフ会員権の譲渡損失と損益通算の範囲の見直し


    譲渡損失の他の所得との損益通算及び雑損控除を適用することができない生活に通常必要でない資産の範囲に、 主として趣味、娯楽、保養又は鑑賞の目的で所有する不動産以外の資産(ゴルフ会員権等)が加えられます。

    この改正は、平成26年4月1日以後に行う資産の譲渡等について適用されます。


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    住宅ローン控除における既存住宅の範囲の見直し


    居住者が、耐震基準に適合しない既存住宅を取得した場合において、その取得の日までに耐震改修工事の申請等を し、かつ、居住の用に供する日までに耐震改修工事を完了していること等の一定の要件を満たすときは、当該既存住 宅を耐震基準に適合する既存住宅とみなして、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができます。

    なお、既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除の適用を受ける場合には適用されません。

    この改正は、平成26年4月1日以後に既存住宅の取得をし、自己の居住の用に供する場合について適用されます。


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    相続財産に係る譲渡所得の課税の特例の見直し


    相続財産である土地等を譲渡した場合の譲渡所得の課税の特例について、当該土地等を譲渡した場合に譲渡所得の 金額の計算上取得費に加算する金額について、その譲渡した土地等に対応する相続税相当額(現行:その者が相続 した全ての土地等に対応する相続税相当額)とされます。

    この改正は、平成27年1月1日以後に開始する相続又は遺贈により取得した資産を譲渡する場合について 適用されます。


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    簡易課税制度のみなし仕入率の見直し


    消費税の簡易課税制度のみなし仕入率について、次の見直しが行われます。

    現 行 改 正
    金融業
    及び保険業
    第4種事業
    (みなし仕入率60%)
    第5種事業
    (みなし仕入率50%)
    不動産業 第5種事業
    (みなし仕入率50%)
    第6種事業
    (みなし仕入率40%)

    この改正は、平成27年4月1日以後に開始する課税期間について適用されます。


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    外国人旅行者向け消費税免税制度の見直し


    外国人旅行者向け消費税免税制度について、免税対象を飲食料品や化粧品等の消耗品へ拡大し、 併せて購入記録票等の様式の弾力化及び手続きが簡素化されます。

    この改正は、平成26年10月1日以後に行われる課税資産の譲渡等について適用されます。


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