平成11年度所得税に関する改正点 |
TOPに戻る |
最高税率の引き下げ
平成11年以後の各年分の所得税の最高税率が50%から37%に引き下げられるとともに、最高税率の適用される所得金額が1,800万円を超える部分の金額となりました。
課税所得金額 改 正 前 改 正 後 330万円以下 10% 10% 330万円超900万円以下 20% 20% 900万円超1,800万円以下 30% 30% 1,800万円超3,000万円以下 40% 37% 3,000万円超 50%
平成11年度以後の各年度分の住民税の最高税率(700万円超の課税所得金額)が15%から13%に引き下げられました。
PageTopに戻る
扶養控除額の引き上げ
平成11年以後の各年分の扶養控除額が次の扶養親族の区分についてそれぞれ引き上げられました。
扶養親族の区分 改 正 前 改 正 後 年少扶養親族(年齢16歳未満) 38万円 48万円 特定扶養親族(16歳以上23歳未満) 58万円 63万円
平成12年度以後の各年度分の住民税の特定扶養親族(16歳以上23歳未満)に係る扶養控除額が45万円(改正前43万円)に引き上げられました。
PageTopに戻る
定率減税の実施
平成11年分以後の各年分の所得税について、所得税額の20%(上限25万円)が定率減税されます。
平成11年度以後の各年度分の住民税について所得割額の15%(上限4万円)が定率減税されます。
- 給与所得者の場合
- 定率減税の実施に伴い、平成11年4月1日以後に支払うべき毎月の給料や賞与の際に使用する「給与所得の源泉徴収税額表」が最高税率の引き下げや定率減税を織り込んだものに改められました。
- 平成11年1月1日から3月31日までの間に支払われた給与等の定率減税は、平成11年6月1日以後最初に支払われる給与等の源泉徴収税額から、1月1日から3月31日までの間に支払われた給与等に対する源泉徴収税額の合計額の20%に相当する金額(45,000円を限度とします。以下「給与特別調整控除額」といいます。)が控除されます。
- 給与特別調整控除額のうち控除しきれない部分については、以後平成11年中に支払われる給与等の源泉徴収税額から順次控除されます。
- 最終的には年末調整の際に、定率減税額を精算することになります。
- 年金受給者の場合
- 平成11年4月1日以後に支給される公的年金等については源泉徴収されるべき所得税の額からその所得税の額の20%に相当する金額(控除額は、20,850円に公的年金等の支給金額の計算の基礎となった期間の月数を乗じて計算した金額を限度とします。)が控除されます。
- 平成11年1月1日から3月31日までに支払われた公的年金等の定率減税は、給与所得のある方に準じた方法により控除されます。
- 最終的には確定申告の際に、定率減税額を精算することになります。
- 事業所得者等の場合
- 確定申告をする事業所得や不動産所得などについては、平成11年以後の各年分の確定申告の際に、定率減税の適用を受けることとなります。
- 予定納税額は定率減税を織り込んで通知されます。
PageTopに戻る
情報通信機器の即時償却制度の創設(パソコン減税)
青色申告者が平成11年4月1日から平成12年3月31日までの1年間に取得し事業の用に供した、取得価額が100万円未満のパソコン等の一定の情報通信機器については、その取得価額の全額を取得事業年度の損金に算入することができます。<一定の情報通信機器の範囲>
なおパソコン本体を購入する際の付属設備(ディスプレイ、キーボード、プリンター、イメージスキャナー、モデム・ルーター、電源装置など)についても同制度の適用対象となります。
- 電子計算機(パソコン)
- デジタル複写機
- メモリー送受信機能付普通紙ファクシミリ
- デジタル構内交換設備
- デジタルボタン電話設備
- 電子ファイリング設備
- マイクロファイル設備
- ICカード利用設備
PageTopに戻る
土地譲渡益課税の軽減
平成11年1月1日から平成12年12月31日までの間に長期所有の土地等を譲渡した場合の譲渡所得の税率が一律20%(住民税は一律6%)に軽減されました。
特別控除後の譲渡益 改 正 前 改 正 後 6,000万円以下の部分 所得税 20%
住民税 6%所得税 20%
住民税 6%6,000万円超の部分 所得税 25%
住民税 7.5%
PageTopに戻る
住宅ローン減税の拡充
住宅取得等特別控除制度について、次のような改正が行われた上、住宅借入金等特別控除に改組されました。
- 平成11年または12年中に居住の用に供した場合の住宅借入金等の年末残高の限度額を5,000万円に引き上げるとともに、控除期間を15年とし控除率が次のように改正されました。
ただし、平成11年1月1日から同年3月31日までの間に居住の用に供した場合は、改正前の制度を選択できます。
(改正前)
住宅を居住の
用に供した年控除期間 1,000万円以下
の部分1,000万円超
2,000万円以下
の部分2,000万円超
3,000万円以下
の部分平成11年 当初2年間 2% 1% 0.5% 残り4年間 1% 平成12年 当初2年間 1.5% 残り4年間 1%
(改正後)
住宅を居住の
用に供した年控除期間 5,000万円以下の部分 平成11年
平成12年1〜6年目 1% 7〜11年目 0.75% 12〜15年目 0.5%
- 平成11年1月1日以後に居住の用に供した場合には、適用対象が次のように拡充されました。
- 適用対象となる住宅借入金等の範囲に償還期間10年以上の住宅とともに取得する土地等(これらの住宅の敷地の用に供されるもの)の取得資金に充てるため借入金等が追加されました。
- 控除対象となる住宅の床面積の上限(改正前240平方メートル以下)が撤廃されました。
- 控除対象となる中古住宅の築後経過年数が、耐火建築物にあたっては25年以内(改正前20年以内)、耐火建築物以外の建築物にあっては20年以内(改正前15年以内)に緩和されました。
- 特定の居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の繰越控除制度について、買換資産である家屋の床面積要件の上限(改正前240平方メートル以下)を撤廃した上、住宅借入金等特別控制度との併用が認められました。
- 震災被災者の再取得等の場合の住宅取得等特別控除額の特例制度について、住宅借入金等特別控除との選択適用が認められました。
PageTopに戻る
TOPに戻る