減損損失の認識


減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がこれらの帳簿価額を下回る場合には、減損損失を認識します。
減損損失を認識するかどうかを判定するために見積もられる割引前将来キャッシュ・フローの総額の見積りと計算方法については、次のように行います。

一 割引前将来キャッシュ・フローの総額の見積り

  1. 将来キャッシュ・フロー見積りの範囲

    将来キャッシュ・フローは、資産又は資産グループの継続的使用と使用後の処分によって生ずると見込まれる将来キャッシュ・イン・フローから、継続的使用と使用後の処分のために生ずると見込まれるキャッシュ・アウト・フローを控除して見積ります。これらの見積りに含められる範囲は次のとおりです。

    • 将来キャッシュ・フローの見積りに際しては、資産又は資産グループの現在の使用状況及び合理的な使用計画等を考慮する。

    • 資産又は資産グループの現在の使用状況及び合理的な使用計画等を考慮し、現在の価値を維持するための合理的な設備投資に関連する将来キャッシュ・フローは、見積りに含める。

    • 将来の用途が定まっていない遊休資産については、現在の状況に基づき将来キャッシュ・フローを見積る。

    • 建設仮勘定については、使用に供されていないが、その将来キャッシュ・フローは、合理的な建設計画や使用計画等を考慮して、完成後に生ずると見込まれる将来キャッシュ・イン・フローから、完成まで及び完成後に生ずると見込まれる将来キャッシュ・アウト・フローを控除して見積る。

    • 資産又は資産グループの将来キャッシュ・フローの見積りに際し控除する間接的に生ずる支出は、現金基準に基づいて見積る方法のほか、発生基準に基づいて見積る方法によることもできる。

    • 利息の支払額並びに法人税等の支払額及び還付額は、将来キャッシュ・フローの見積りには含めない。ただし、固定資産の建設に要する支払利息で稼動前の期間において取得原価に算入されている場合は、完成時まで算入されると考えられる利息の支払額を将来キャッシュ・アウト・フローの見積りに含める。

    • 利息の受取額は、将来キャッシュ・フローの見積りに含めない。ただし、賃貸不動産の預り保証金の運用益相当額のように、固定資産の使用に伴って直接的に生ずると考えられる利息等の受取額は、将来キャッシュ・フローの見積りに含めることができる。

  2. 将来キャッシュ・フロー見積りの期間

    減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定に際して、将来キャッシュ・フローを見積る期間は、次のとおりです。

    • 資産又は資産グループについて、減損損失を認識するかどうかを判定するために将来キャッシュ・フローを見積る期間は、資産の経済的残存使用年数又は資産グループ中の主要な資産の経済的残存使用年数と20年のいずれか短い方とする。

    • 資産又は資産グループについて、使用価値の算定のために将来キャッシュ・フローを見積る期間は、資産の経済的残存使用年数又は資産グループ中の主要な資産の経済的残存使用年数とする。

    • 共用資産に関して、より大きな単位でグルーピングを行う場合、減損損失を認識するかどうかを判定するために将来キャッシュ・フローを見積る期間は、共用資産の経済的残存使用年数と20年のいずれか短い方とする。また、その場合に、使用価値の算定のために将来キャッシュ・フローを見積る期間は、共用資産の経済的残存使用年数とする。

    • のれんに関して、より大きな単位でグルービングを行う場合、減損損失を認識するかどうかを判定するために将来キャッシュ・フローを見積る期間は、原則として、のれんの残存償却年数と20年のいずれか短い方とする。また、その場合に、使用価値の算定のために将来キャッシュ・フローを見積る期間は、原則として、のれんの残存償却年数とする。

  3. 将来キャッシュ・フローの見積りに関する留意点

    減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において見積られる将来キャッシュ・フローの見積りにあたっては、次のような点に留意します。

    • 中長期計画が存在する場合

      企業に取締役会等の承認を得た中長期計画の前提となった数値を、経営環境などの企業の外部要因に関する情報や企業が用いている内部の情報と整合的に修正し、各資産又は資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮して、将来キャッシュ・フローを見積る。

    • 中長期計画が存在しない場合

      企業は、経営環境などの企業の外部要因に関する情報や企業が用いている内部の情報に基づき、各資産又は資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮して、将来キャッシュ・フローを合理的に見積る。

    • 中長期計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローを算定する場合

      企業は、原則として、取締役会等の承認を得た中長期計画の前提となった数値に、合理的な反証がない限り、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえた一定又は逓減する成長率の仮定をおいて見積る。この結果、中長期計画の見積期間を超える期間の成長率がプラスの仮定の場合には.当該将来キャッシュ・フローの金額は逓増し、成長率がマイナスの仮定の場合、逓減することとなる。

二 割引前将来キャッシュ・フローの総額の計算方法

  1. 資産又は資産グループ中の主要な資産の経済的残存使用年数が20年を超えない場合

    当該経済的残存使用年数経過時点における資産又は資産グループ中の主要な資産の正味売却価額を、当該経済的残存使用年数までの割引前将来キャッシュ・フローに加算する。

  2. 資産又は資産グループ中の主要な資産の経済的残存使用年数が20年を超える場合

    21年目以降に見込まれる将来キャッシュ・フローに基づいて算定された20年経過時点における回収可能価額を、20年目までの割引前将来キャッシュ・フローに加算する。

  3. 資産グループ中の主要な資産以外の構成資産の経済的残存使用年数が、主要な資産の経済的残存使用年数を超えない場合

    当該構成資産の経済的残存使用年数経過時点における当該構成資産の正味売却価額を、主要な資産の経済的残存使用年数までの割引前将来キャッシュ・フローに加算する。

  4. 資産グループ中の主要な資産以外の構成資産の経済的残存使用年数が,主要な資産の経済的残存使用年数を超える場合

    当該主要な資産の経済的残存使用年数経過時点における当該構成資産の回収可能価額を、主要な資産の経済的残存使用年数が20年を超えないときには、主要な資産の経済的残存使用年数経過時点までの割引前将来キャッシュ・フローに加算し、主要な資産の経済的残存使用年数が20年を超えるときには、21年目以降に見込まれる将来キャッシュ・フローに加算する。



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