資金の範囲
キャッシュフロー計算書が対象とする資金の範囲は、現金及び現金同等物であり、その内容は次のとおりです。(1) 現 金
現金とは、手許現金及び要求払預金をいいます。
要求払預金とは、顧客が事前の通知なしで又は数日の事前通知により元本を引き出せる期限の定めのない預金をいいます。例えば、普通預金、当座預金、通知預金が含まれます。したがって、預入期間の定めがある定期預金は、要求払預金には該当しません。
(2) 現金同等物
現金同等物とは、容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない短期投資をいいます。
現金同等物は、この容易な換金可能性と僅少な価値変動リスクの要件をいずれも満たす必要があります。市場性のある株式等は換金が容易であっても価値変動リスクが僅少とはいえず、現金同等物には含まれません。
現金同等物の例としては、取得日から満期日又は償還日までの期間が3か月以内の短期投資である定期預金、譲渡性預金、コマーシャル・ペーパー、売戻し条件付現先及び公社債投資信託があります。
なお、資金の範囲に含めた現金及び現金同等物の内容については会計方針として記載します。また、その期末残高と貸借対照表上の科目別残高との関連について調整が必要な場合はその内容を注記します。
会計方針と注記の記載例は次のとおりです。
<会計方針の記載例>資金の範囲
連結キャッシュ・フロー計算書における資金(現金及び現金同等物)は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資からなる。
<注記例> 現金及び現金同等物の期末残高と連結貸借対照表に掲記されている科目の金額との関係
X1年3月31日 現金及び預金勘定 xxx 円 預入期間が3か月を超える定期預金 xxx 円 現金及び現金同等物 xxx 円 X2年3月31日 現金及び預金勘定 xxx 円 預入期間が3か月を超える定期預金 xxx 円 現金及び現金同等物 xxx 円